今回は医療技術部 薬剤師服部が担当致します。
以前に薬剤部通信でもお話させていただきましたがピロリ菌のお話です。
当院でもピロリ菌の除菌療法を受けられる方がたくさんいらっしゃいますがその年齢層や男女比、除菌成功率等データがそろってきましたので皆様の参考となればと思い報告させて頂きます。
平成26年12月~平成28年12月までの約2年間に当院でピロリ菌の1次除菌を受けられた方の中でタケキャブという酸分泌抑制薬を含む(*1)3剤併用療法を受けられた方のデータです。
●合計 109名
●男女差はほとんどありません。
●年代別にしますとピロリ菌の保菌率が高くなる高齢の方が多いです。
(*1)3剤併用療法とはアモキシリン、クラリスロマイシンの抗生物質2剤とP-CABやPPIという酸分泌抑制薬を加えた併用療法のこと
結果は109名の患者様のうち除菌成功された方は104名でした。
率にして 95.4%
非常に高い除菌成功率でしたが5名の方が2次除菌を受けて頂く結果となりました。
ピロリ菌感染が胃ガンのリスクの1つということは明らかですし現在胃に不調のない方でも一度検診を受けて調べて頂くことをお勧めします。
2017年06月13日更新
新病院オープン1ヶ月でまだ引越し完了とはいえませんが、医療はその間も進歩を遂げておりますので、最新医療を吸収しに広島までやってまいりました。肝臓癌に対するラジオ波焼灼術(RFA)は確立された治療として多くの皆様に受けて頂いてますが、今回マイクロ波で癌を焼く手技が順天堂の椎名先生らのグループから紹介されました。血管に近い部分が焼け難いRFAの欠点を補い、米国では主役になりつつあるとのことです。ただ、米国の信じられないくらい大雑把な医療の実態も併せて知ることになりました。針はアンテナというそうですがRFAのものより太くなります。C型肝炎治療ですが、虎ノ門病院の熊田先生による講演で、新しい3種合剤について既存の治療成績を上回る予測が示されました。またII型ウイルスの透析患者さんだけ適応がなかった飲み薬ですが、年末頃処方ができるよう開発が進行しているようです。昨日の夜は広島名物を食べました。
2017年06月9日更新