医師ブログ
『気合い』?と『勘』?の肝動脈化学塞栓術
今日の四日市消化器病センターでは
肝臓がんに対する
肝動脈化学塞栓術(TACE)
を2症例行いました。
メインの執刀医(カテーテル手術医)は
同級生の浦城医師
彼は〝超本職〟なので、
私は毎度
傍で見事なカテーテル操作を
拝見しております。
一方、私はスムーズに手術が進むよう
浦城医師にすぐ使える状態にして
カテーテルを渡すなど
アシスタント的な仕事をしています。
足の付け根から腹部大動脈へ、そして
肝臓へ分岐する腹腔動脈までをすすめる
太めの『親カテーテル』に
太めの『ガイドワイヤーを通す作業』は
さすがに簡単です

(これができなくなったら
即、手術から引退します

)
問題は肝臓の細い動脈に進めるための
『親カテーテル』の中を通る
『子カテーテル』の空洞に
極細の『ガイドワイヤーを通していく』作業です。
やっぱりカテーテルに
ガイドワイヤーを通す作業は
針に糸を通すが如く
どんなにいいコンタクトレンズでも
経年劣化する私の眼

をカバーしきれず
心のなかで
『カテーテルとガイドワイヤーの
ピント

がゆっくりしかあわんな〜

』
といって、持っているカテーテルを
やや遠ざけます(

この意味わかりますね)
この場面に関しては
〝最大の気合いと集中力〟
そして
〝おそらくこの辺がガイドワイヤーの先端だろう〟
という長年の経験からくる勘にも頼ってます。
おかげで今のところ、正確性も要求される中
所用時間は若いころに比べて落ちてはいません。
私がもたもたすると
患者さんに迷惑かかるしね(必死

)
肝臓がんの治療法については
肝臓学会からアナウンス

される
『治療指針

』に基づいてご提示しますので
患者さんに対して
〝気合い〟や〝勘〟に頼って
判断していませんよ。
ご安心ください

2021年01月16日更新