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四日市消化器病センター

〒512-1203三重県四日市市下海老町字高松185-3
電話番号:059-326-3000
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午後/14:30~17:30
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医師ブログ

JDDW2017レポート(C型肝炎の最終兵器&顕微鏡付き?の胃カメラ、大腸カメラ)

今年のJDDW(日本消化器関連学会週間)は福岡です。当院から看護師2名も参加しています。トピックな話題としては、C型肝炎の飲み薬はウイルスの種類(I型、II型)で治療薬が異なっていましたが、11月末頃に発売される「マヴィレット」は、どんなタイプでも100%近い効果を示し、重篤な副作用もなく、投与期間はたった8週(12週の場合もあり)で終了します。II型の治療はいままで、腎不全や透析患者さんに使えない「リバビリン」という薬の併用がネックでしたが、この薬は単剤で効果をしめし、透析患者さんの治療が可能になった事も大きいと思われます。
この講演は、日本の肝炎ウイルス治療の第一人者といわれる虎ノ門病院の熊田博光先生が過去のC型肝炎治療の変遷を説明しながら行ったのですが、肝臓学会の熊田先生のセミナーは、大きな会場でも立ち見がでるくらい最新治療の情報源としてある種の「名物」になっていました。現在、当院では虎ノ門病院に留学に行った看護師が活躍しており、直接熊田先生から話が聞けて勉強になったとのことで、大変お世話になった歴史があります。熊田先生は「こんなに多くの人が集まる私のセミナーはもうないんじゃないかと思います」と最終章と言わんばかりでしたが人類にとって大きな功績を残されたんだなと深く感じるものがありました。内視鏡ではオリンパスから病変を最大520倍の光学拡大機能が付くことでリアルタイムに細胞レベルまで観察ができる超拡大内視鏡「Endocyto」の2機種(上部消化管用,大腸用)が発表されました。その場で癌細胞を観察できるという発想がすごいのですが、病理医(細胞の専門家)が同時にみてくれないと難しいとは思いました。

2017年10月16日更新