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四日市消化器病センター

〒512-1203三重県四日市市下海老町字高松185-3
電話番号:059-326-3000
午前/8:30~11:30
午後/14:30~17:30
休診日:土日曜・祝日

医師ブログ

【〝次回〟を意識しなければならない肝臓ガン手術】

今日の四日市消化器病センターでは
肝臓ガンに対するラジオ波焼灼術(RFA)を
2症例おこないました。
『肝硬変』は肝臓ガンの
発生しやすい素地
いわゆる『前癌段階』
と言っていいかもしれません
肝硬変は基本的に
正常な肝臓には戻らないので
今ある肝臓がんをやっつけても
どうしても、違うところから
新しい肝臓ガンができてくることが
よくあります。
RFAを受けたとき
つらかった印象を残すと
再発時の治療を患者さんが
ためらいがちになります。
基本は腹部エコー下で行い
患者さんに息どめを協力してもらわなければ
正確に穿刺できません。
なので〝すべて眠っているうちに終わる〟
『全身麻酔』ではできない手術です。
しかし、針が安全に目標の肝臓がんに
刺さっているのを確認すれば
あとは眠くなるようなお薬(鎮痛剤)を
静脈注射して、薬が効いてから
針に電流をながし、肝臓ガンの焼灼を開始します
その症例ごとに鎮痛剤や麻酔の効果が違い、
使用量、タイミングは
全症例同じではありません。
今日は、痛覚のある
腹膜に近いところにできた
肝臓がんの治療でした。
わざと腹水をつくって(人工腹水といいます)
肝臓と腹膜を離すと
患者さんが
『痛い』『熱い』と感じにくくなります。
〝RFAのスペシャリスト〟
三重大学肝臓内科『田中医師👨‍⚕️
のとなりで私が患者さんの腹腔内に
お水(正確には5%ブドウ糖水)
をいれているところです。
腹水を入れる前のCTと
腹水をいれた後のCT
違いがわかりますか?
肝臓のまわりに濃いグレーの層が
とりまいてます。
これが人工腹水です。
はじめてRFAを受けていただく患者さんに
どうやったら〝次あるかもしれない治療の〟
トラウマにならないか、
いろいろ手をつくす
たいへん重要なところになります

2021年01月23日更新