金沢市で行われている消化器病学会に出席しています。肝臓がん(肝細胞がん)に対し、昨年薬価収載された「レンビマ」という内服の抗がん剤がかなり効果的であることはわかっていました。既存の肝動脈塞栓化学療法(TACE)、ラジオ波焼灼術(RFA)、持続的な抗がん剤注射(HAIC)との選択においてややカオスな状態になっていましたが、どういった症例にまず何を使うべきか次第にクリアカットになってきました。
ただ言えることは、レンビマも肝機能のいい時(専門的にはChildAといいます)でないと使えません。手遅れになってからでは治療選択肢が減ってしまいます。肝臓病は症状がないので、気になったら早めの受診をお願いします。
そして、数年前バンコクの病院視察にて「いずれ内科医はAI(人工知能)により仕事がなくなると思う」とショックなことを言われた事がありますが、「消化器診療におけるAIの関わり」についてのワークショップに出ました。まだAIには弱点もありますが、超音波おける陰影診断、内視鏡における病変の検出など既に臨床医の能力を超えるデータが出て、治療の面では医師のアシストだけでなくロボットによる手術も実用化されてきましたので、そう遠くない将来、地域医療でもロボットの活躍は避けられないと感じました。会場は満席で関心に高さがうかがえました。
2019年05月10日更新